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池永ゆきお 県議会一般質問

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産業政策に係る国等との連携強化について

【質問】

 昨年11月5日に、九州経済産業局と合志市の間で、商工振興施策に関する協力体制を強化していくための「連携モデル」を構築することが発表されました。


 九州経済産業局では、地域における産業振興政策の浸透を図るため、基礎自治体との連携強化を進められておられます。しかし、市町村によって産業構造などが異なることもあり、産業政策を実行する際には、それぞれの市町村の実態に合わせた工夫が必要であるとの認識から、今回、オーダーメイド型の連携モデルを構築する試みが開始されました。


 合志市にとっても、今回の連携強化をきっかけとして、地域経済の活性化や若者の地元就職の拡大が図られるのではないかと期待されています。


 このような取組みは、九州で初めての取組みであり、九州経済産業局としては、他地域への有効なモデルケースにしたい考えであると聞いております。


 先日、合志市においてキックオフセミナーが開催されましたが、今後は、農商工連携や、ヘルスケアなどの分野を対象に、勉強会の開催や、成長が期待できる企業の支援等を行うこととされています。


 さらに、旧西合志庁舎あとにオープンした、コワーキングスペース「ルーロ合志」を活用して、新分野創出や創業支援にも取り組まれる予定です。


 これまでも県では、熊本の産業振興を図るため、そして熊本地震からの復旧・復興を推進するため、グループ補助金による企業の支援をはじめ、九州経済産業局と連携しながら取り組まれています。これに対しては、多くの県民・企業の方から高く評価する声をいただいており、非常に大きな効果を熊本にもたらされてきたと感じております。


 県としては、今後、九州経済産業局をはじめ、国、県、市町村との連携をさらに強化し、熊本の産業の特長を改めて分析しながら、地域の実情に合わせた様々な事業に取り組むべきではないかと思います。


 そこで、県のこれまでの国等との連携事例等についてお聞かせ願うとともに、本県の産業振興に向けて、今後、九州経済産業局をはじめとする関係機関等との連携についてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
 

【答弁】

 九州経済産業局と合志市との連携強化の取組みについては、大変期待しているところ。県でも、これまで新産業の創出や、事業承継、企業誘致等で、国、市町村、関係機関と課題を共有しながら、連携して取り組んできた。

 例えば、「地域未来投資促進法」では、地域経済をけん引する企業の育成のため、県と市町村が地域の特性を踏まえた基本計画を作成。この計画に効果があるビジネスプランには、国や関係機関から、補助金や課税の特例等の支援が受けられる。これまで、県と各市町村が連携し、積極的に取り組んできた結果、県内では100件を超える企業が活用し、全国トップクラスとなっている。

 また、企業の身近な支援機関である商工会・商工会議所では、今年度から新たに、小規模事業者を支援する経営発達支援計画を市町村と共同で策定することとされた。この計画は、県の意見を踏まえた上で、国が認定することになり、地域全体で企業をサポートしていく仕組み。今年度、22の商工団体がこの計画を申請している。

 経済のグローバル化やSociety5.0など、ビジネスをとりまく環境は大きく変化。地域の企業が、最大限に力を発揮していくためには、国や関係機関による、専門性の高い支援が必要。現在、中小企業の事業承継などに対応するため、商工団体に特任経営指導員を配置するなど、支援体制の強化に取り組んでいる。

 今後とも、国、県、市町村、関係機関と連携を強化しながら、中小企業等の振興に取り組んで参ります。

熊本都市計画区域北東部地域における土地利用計画について

【質問】

 熊本都市計画区域は昭和46年5月に設定され、熊本市を中核に合志市、菊陽町、嘉島町及び益城町の2市3町で構成されており、県内で唯一、市街化区域と市街化調整区域に区分されている、いわゆる「線引き」都市計画区域となっています。


 熊本都市計画区域の人口は、昭和46年の約46万人から、現在は1.9倍の約87万人となっていますが、市街化区域の面積は、当初の111k㎡から順次拡大されたものの、現在126k㎡であり、約45年間で13%しか拡大されていないことになります。


 その中でも、合志市における市街化区域は熊本市に隣接する南部に設定され、行政区域面接の僅か約1割である5.5k㎡となっており、この区域に人口の約6割が居住しており、残りの約4割は市街化調整区域に居住している状況です。


 一方、国立社会保障人口問題研究所の推計によれば熊本都市計画区域の将来人口は、熊本市の減少に伴い全体的には減少するものの、合志市と菊陽町は令和22年まで増加傾向が継続していくと推計されています。


 特に合志市においては熊本地震以降人口増加が一層加速化しており年間約1千人、世帯数で約400世帯が増加している状況です。その主たる要因は、熊本市北部地区をはじめとする隣接市町からの30から40代の子育て世代の転入によるものとなっています。


 また、合志市が昨年独自に行った将来人口推計では、10年後の令和12年で7万人を越え、20年後の令和22年では8万人を超えるものと推計されています。


 人口増加の背景にある宅地開発については、市街化調整区域での地区計画や集落内開発によるもので、年間約10haもの住宅が開発されていますが、集落内開発について、計画的な市街地の形成を誘導していくのは容易ではないのが現状です。


 ところで、人口が減少していく自治体の課題は各方面で指摘され、その対策についても様々な施策が講じられていますが、人口が増加する自治体が抱える課題についてはあまり認識されていないものと思います。


 例えば、子供二人を持つ子育て世代の標準的な世帯が戸建住宅を購入し転入された場合、市民税や固定資産税等の収入が増えるものの、保育料や子供医療費の無償化等に伴う支出が増えることで財政負担が大きくなり、児童福祉費等の扶助費は歳出予算の3割を超える状況になっているとのことです。


 人口が増えれば財政が潤っていた昭和の時代とは異なり、少子化対策等の施策を拡充せざるをえない現在とでは、人口の増加による自治体財政への影響が異なるというのが現状です。


 そのため、財政の健全化を図るためには、自主財源である税収の増加が必要であることから住宅以外の事業所や商業施設の誘致が不可欠であるものの、先ほど述べましたように行政区域の約9割を市街化調整区域が占めているため様々な規制で容易に立地できないのが現状です。


 また、既存の市街化区域内における開発可能地だけでは、将来増加が予想されている人口を収容するのは困難であるとともに、事業所や商業施設の立地による税収増を図るためにも市街化区域の適切な拡大を行うことが不可欠であると考えます。


 今後とも人口増加が予想される熊本都市計画区域北東部地域の土地利用計画に対する県としての考えについて土木部長にお尋ねします。

【答弁】
 2市3町で構成される熊本都市計画区域では、「豊かな自然と歴史を活かし、活力あるエコ・コンパクトな都市づくり」を基本理念とし、計画的な都市づくりを進めている。そのうえで、いわゆる「線引き」を定め、2市3町へのヒアリングや将来の人口予測を踏まえ、定期的に見直しを行っている。

 

 合志市では、合志市役所南側地区や熊本電鉄御代志駅周辺地区を編入するなど、計画的に商業機能の誘導が図られている。熊本都市計画区域は、社会、経済的に強い繋がりのある広域な区域であることから、行政区域にとらわれず、一体の都市として、将来の市街地規模などを適正に定めていく必要があると考えている。

 

 引き続き、2市3町と連携を図りながら、持続可能な都市づくりを目指し、計画的で秩序ある土地利用の誘導にしっかりと取り組んで参ります

中九州横断道路の早期整備について

【質問】

中九州横断道路は、九州の横軸として熊本大分両県を結ぶ重要な地域高規格道路として計画されているものです。


 平成24年の九州北部豪雨災害や平成28年の熊本地震の発生に伴い、熊本と大分を結ぶ国道57号が寸断されたことで、物流や観光等の経済活動に大きな影響を及ぼしました。また、九州各県の県庁所在地の中で高規格な道路で唯一直結していないのが熊本市と大分市であります。このため、近い将来に発生するといわれる南海トラフ巨大地震への備えとして、熊本大分両県にある広域防災拠点を結び、相互に支援が可能となる災害に強い「命の道」としてのリダンダンシーを確立するためには中九州横断道路の整備が急務であると考えます。


 また、本路線の計画ルート沿線には、熊本県における中核企業である東京エレクトロンやソニー及び本田技研等が集積立地し、製造品出荷額は約1兆5千億円で県全体の約6割を占めており、今後とも成長・発展していくと考えられる地域です。


 このため、本路線の早期開通を図ることで、物流の効率化や生産性の向上等のストック効果を増大させ、産業振興及び地方創生を力強く牽引できるものと確信するものです。


 さらには、本路線沿線には阿蘇や数多くの温泉地など日本を代表する観光資源があり、年間約2千3百万人の観光客が訪れており、観光の面からも県経済を牽引している地域であると言えます。


 しかしながら、本路線については、大分県内区間においては計画区間の約4割の区間が本年度までに供用開始されているものの、熊本県内区間については未だ開通区間が無く、大分県に比べ大きく立ち遅れている状況です。


 このようなことから、物流の効率化やインバウンド交流人口の増加を図るためには、現在、本県内において事業中である滝室坂道路の早期完成と大津熊本間の早期事業化が不可欠であると考えます。


 大津熊本間は、大津町の国道325号から合志市内を通り、熊本市の九州自動車道に至る延長約14kmの計画で合志市内では、県道住吉熊本線及び国道387号と交差する2箇所にインターチェンジの設置が予定されています。これまで、環境影響評価や都市計画決定の手続きが実施され、去る1月には、これらの手続きが完了したと伺っています。


 そこで、中九州横断道路の今後の整備に向けた知事の思いについて伺いたいと思います。

【答弁】
 本県の地理的優位性を発揮し、九州全体の発展につなげていくためには、幹線道路の早期整備が不可欠。中九州横断道路は「命の道」「経済の道」「地方創生の道」として、重要な道路。平成24年の熊本広域大水害により寸断された国道57号の滝室坂を中九州横断道路にも活用可能な形で整備すべきと考え国に要望した。

 

 その結果、中九州横断道路の一部となる「滝室坂道路」の事業化が決定された。現在、滝室坂道路のトンネル工事が本格化し、今年度からは、竹田阿蘇道路の整備に着手されている。大津・熊本間については、1月14日の都市計画決定により、事業化に必要な県の手続きが完了した。

 

 大津・熊本間の整備は、企業の生産性向上や交通の円滑化に大きな効果を発揮するものであり、中九州横断道路の全線整備つながる。「すべての道は、くまもとに通じる」という考えのもと、九州をつなぐ幹線道路ネットワークの整備を加速させて参ります。
 

<要望>小中学生のカバンの重量の軽減化について

 

 合志市内の小中学校の校長先生にお願いしてカバンの重さを計ったデータを送ってもらいました。といいますのも5年生の孫が「足が痛い」と申しており、整骨院に通院させたところ、体の歪みが解りました。もちろん、カバンの重さが原因とは断定できませんが、その要因ではないかと思いました。


 データの中で最も重かったのは中学一年生の女の子でサブバックまで入れると14kgをオーバーしていました。小学一年生でも4.5kg超の重さの児童もみうけられました。先生の話では、子どもは傘をさすのが苦手で、雨降りの日には特にカバンが重荷になっているようです。


 地域差はあると思いますが、通学の距離も私の校区の790人余りの6割近くが1.5Km〜4kmとなっていました。雨降る梅雨時や夏の暑い日に苦労しながら通学する姿を目にするたびに、何とかできないものかと思います。


 現在、「置き勉」という言葉が使われ、実行もされていると思います。


 しかしながら、先生の言葉を借りれば家庭学習も大事な学びの時間だと言われました。私も孫の低学年時に、国語の読みの練習の相手をした事がありました。そのような宿題があることで、毎日のように教科書の持ち運びが課せられます。


 そこで、要望ですが、カバンの重さの解消のためにも、タブレットパソコンなどICT機器の導入等を県で取り組むことも必要があるのではないでしょうか。


 「置き勉」も一つの方法だと思われます。家庭学習における重要性を踏まえつつ、何を児童生徒に持ち帰らせ、何を学校に置くのか、保護者等とも連携し、子供の発達段階や学校、地域の実態を考慮して適切に対応するなど、小中学生のカバンの重量の軽減化について要望させていただきます。

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